2013年1月22日放送

江戸時代の「粋」な味を受け継ぐ…
「野菜菓子」職人、丸山壮伊知(まるやま そういち)さん。
甘く香ばしい香りの立ち込める、老舗和菓子屋の厨房。
造られているのは…
色とりどりの野菜を砂糖蜜で煮詰めた「野菜菓子」。
江戸の人々が舌鼓を打ったスイーツです。

「野菜の砂糖漬けというのが「本当に甘いだけ」って
色々と誤解されたりする部分が多いんですが、
ずっとマイナーなままきているお菓子なので…」

野菜の風味はそのまま。甘さと調和させる伝統の技…。

「ただ“砂糖漬け”っていうのは、素材にしているものが自然の野菜なので、
(時代と共に)素材がどんどん変わっていますので、レシピが全く存在しない。
あっても意味が無い…。野菜の顔色を見ながら調節してゆくのが砂糖漬け屋の作り方。」

伝統と時代の狭間で戸惑いながら、丸山さんが 共感した言葉。それは…

『不易流行(ふえきりゅうこう)』

本質は残しながら、新しいものも取り入れようという、松尾芭蕉の俳句の理念です。

「新しい野菜の砂糖漬けでバリエーションを増やして、
江戸からあるものを守るっていうこともありますけど、
平成になっての新しい砂糖漬けを確立して伝えられればいいなと…」

野菜菓子は、懐かしくも新しい美味しさです。