2014年3月11日放送

人形に 命の息吹を吹き込む・・・
オートマタ作家、堀江出海(ほりえ いずみ)さん。

「機械仕掛けの人形とでも言いましょうか・・・元々時計がルーツなんです。
オートマタっていうのは。」

オートマタは、古い時計と同じようにゼンマイ仕掛けで動く、
19世紀のヨーロッパで流行した“からくり人形”。
堀江さんはその技術を受け継ぐ、世界でも数少ない一人です。

「動かない人形に機械を入れて、動かして世間をちょっと驚かせてみようか、
みたいな。イタズラ心・・そんな発想からできた文化なんですね。」

元々は、時計を修理するベテランの技術者。
長年培った知識と経験で、人形に豊かな動きをもたらします。

「(部品を削る単位は)だいたい100分の1ミリぐらいです。途中は試行錯誤が
ありますよ、苦しい時もあるしね。」

そんな時、堀江さんが思い出す言葉、それは・・・

『なかぬなら鳴くまで待(まと)よ 郭公(ほととぎす)』

何事も忍耐強く時を待ったとされる、徳川家康を詠った言葉です。

「自分の思い通りの作品に仕上がった時・・・
それが作品作りの一番楽しいところじゃないですかね。」

自分と向き合う時の長さが、優雅な動きを生み出します。