2014年7月15日放送

江戸時代から続く京都の手ぬぐい専門店。
永楽屋(えいらくや)14代・細辻伊兵衛(ほそつじ いへえ)さん。

「昭和初期の手ぬぐいを見ていますと、京都らしさを入れていったり、舞妓さんがスキーをしているとか、ボートを漕いでいるとか。凄く格好いいなぁ、お洒落で素敵だなぁと・・・」

そんな古き良き時代のデザインに魅せられ、手ぬぐいの復刻を決意。
しかし、昔ながらの風合いを出すことは容易くありませんでした。

「色の朽ち方や、現在に残っている色の深みとか、そういった証拠みたいなものを出したいので、染色に関わる技術者と相談して、京友禅の技法を開発しました。」

苦労の末、色の風合いにもこだわった、昭和初期の懐かしい柄の手ぬぐいを復刻。
・・・気づいたのは、新たな手ぬぐいの魅力でした。

「こういった形で飾っていただく、季節によって変更して、インテリアとして根付いて欲しいなと。最終的にはアートと感じて頂けるような(復刻)デザインをやっていきたいと思います。」

日用品だった手ぬぐいの価値を広げた細辻さんが共感した言葉。それは・・・

『器用というのは 他人の思惑の逆に出ることだ』

相手の期待を超えることで、人の心を動かせるという
戦国武将 織田信長の言葉です。

「手ぬぐいは、現代アートとして世界に通じるもの。今の方々に是非、当時の良さを知って頂きたいと思います。」