2014年9月2日放送

細い糸で今に伝える、奥深い伝統・・・
江戸糸あやつり人形遣い(つかい)、結城千恵(ゆうき ちえ)さん。
三代将軍家光の時代から続く、糸あやつり人形劇団「結城座」。
その家に生まれ、5歳の頃から舞台を続ける結城さん。

「糸を持つ時、つまむという感覚でもないし、握るという感じでもない。
『遣う』という感じに入るまでに、物凄く時間が掛かるんですよね。」

人形に命を吹き込むのは、およそ20本の糸。

「人形って小さいじゃないですか。これが2メートルにも3メートルにも見えるためには、
お客さまのエネルギーが必要だし、イマジネーションが必要なんですよ。
それが私たちを刺激してくれる、原動力になるんです。」

舞台をこよなく愛する、結城さんの心に残る言葉、それは・・

『人生は歩きまわる影法師、あわれな役者だ、
舞台の上でおおげさにみえをきっても出場(でば)が終われば
消えてしまう』

イギリスの劇作家、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「マクベス」の一節です。

「一瞬のために花火のように散っていくというのは、全くもってわたしたちの商売だと
思うんです。」

糸がつなぐ、人形と人の美しい世界。