2014年12月30日放送

威勢良く仕上げる絶品の味。
餅つきの職人、中谷充男(なかたに みつお)さん。
蒸したてのもち米にヨモギを混ぜて…

つき始めてからお餅になるまで、わずか4分。

「お餅の熱いうちにしっかりついて、お餅にしてしまう。そうすると冷めてからでも滑らかで腰のある、美味しいお餅になるんです。」

この素早い餅つきには、ルーツが。

「私の生まれた奈良県吉野郡上北山村の一部の地域では、高速で餅をつく。寒い(地域)ですから、どんどん冷えてくる(のを避けるため)。」

22年前、餅つきを披露した時の観光客の喜ぶ顔が忘れられず店を構えました。
しかし思わぬ苦労も。

「小さい時から見ているから、普通にみんなができると思いこんでいたんですね。こちらへ来てからの従業員さんには、なかなかできないんです。だから慣れてもらうしか方法がなくて。自分でコツを掴んでいただく、これしかなかったですね。」

粘り強く仲間を育てた中谷さんが共感する言葉、それは…

『楽しんでやる苦労は苦痛を癒すものだ』

イギリスの劇作家、ウィリアム・シェイクスピアの言葉です。

「まだまだ一生懸命やって、もっと美味しいお餅を追求していく。こういうことを忘れたらダメだと思いますね。」