2016年3月15日放送

九州・大分の山里で江戸時代から受け継がれる、一子相伝の焼き物…

小鹿田(おんた)焼きの職人、坂本工(たくみ)さん。

「地元の土で唐臼という川の土を砕く水車で、自然のサイクルの流れで作ってるので日本でも1番原始的な作り方を集落でやっているという。」

小鹿田焼きの特徴は「飛び鉋(かんな)」と言われる、器に深みを与える渦巻き模様。

「地が黒いので白い化粧土を施して、化粧土と下地が上手くくっつかないので、定着させたい為にハケで飛び鉋という模様を入れて…」

化粧土がはがれないように入れる「飛び鉋」。
この独自の技法を、それぞれの窯元が一子相伝で守ってきました。

6年前から息子創さんも「ろくろ」を回しています。

「(後を継いでくれた時は)そうとう嬉しかったと思いますよ、その時は…。ただし、(一人前になるのは)手数しかないよと。だって、ああしろ、こうしろ、と言って出来ないですから。要するに数作るしか、体で覚えこませるのは手数しかないですね。」

ろくろは一家に2台が不文律。息子に後を託す坂本さんがおもう言葉。

「手考足思(しゅこうそくし)」

手で考え 足で思う。昭和に名を馳せた陶芸家の言葉です。

「結局、器を作ってるんですけど、僕らの作品作りと言うのは次世代の人間なんですよ。一番の作品は息子であるということです。」