2016年4月5日放送

盆の上に生まれる、日本の花鳥風月…

細川流盆石 永島三奈子(ながしま みなこ)さん

室町の頃より伝わる盆石は、黒い漆塗りの盆の上に風景を描く芸術。
使うのは石と砂だけです。

「(盆石の面白いところは)作っている間は完全に石と砂と自分とに向き合う時間となりますので自分の世界に入れるところだと思います。」

やがて、自然を見る目が変わってきたといいます。

「月がきれいだな」と思っていたのが陰影を気にするようになったり光り方が気になるようになりました。」

一度目にした風景を心に焼き付け 自らの手で再現する。
しかしそれは「永遠」ではありません。

「作っては壊し、作っては壊しでとてもはかないということが
盆石の楽しみの一つだと思います」

日本にとどまらず盆石の魅力を発信し続ける永島さんが
心に刻んだ言葉。それは…

「十日一水(じゅうじついっすい)・五日一石(ごじついっせき)」

五日で一つの石を、十日間で一つの川を描く。
丁寧な作品づくりを説いた言葉です。

「技術の伝承であり、きちんと盆石を残していくことが夢。身近なところで石を拾ってきたり、砂で絵を描いてみる遊び方をしてもらえると嬉しい。」