2016年6月21日放送

熱い夏に麦茶。その香りは昔のままに…。

麦茶焙煎職人 小川良雄さん

明治41年創業。
先々代が考案したという釜に、麦と共に入れるのが「砂」。
100年以上守り続けてきた製法で、麦にじっくりと熱を伝えます。

「石焼き芋の感じで、石の代わりに砂を利用して、麦に抱かせて熱を加えることによって旨味が出てくる。“こんなに香りがする!”ってたぶんビックリすると思いますよ。」

国産の六条大麦から作り出す、伝統の味。
小川さんは、朝から晩まで、熱い釜から離れることなく 麦を見つめます。

「基本的にはアナログの機械だから、随時、釜と一心同体でいないと釜が“心ここにあらず”になっちゃって、良い麦茶を作ることをしなくなる。一生懸命煎ってると、焙煎機から出てきた麦はうれしそうな顔をしている。」

麦茶への愛情を一心に注ぐ小川さんが大切にしている言葉、それは…

『敬天愛人(けいてんあいじん)』

常に謙虚な心で、あらゆるものに敬意を表し生きることが大切である
西郷隆盛が好んだ言葉です。

小川さんは、この麦茶を飲む人への気持ちも注ぎます。

「ひと手間かければ、これだけ旨いものができると思う。お客様が“うまいね、この麦茶”って言ってくれれば、僕らは幸せだからね。」