2016年11月15日放送

京都の街に響く、豆腐売りの鐘の音。
竈(かまど)を使い豆腐を作る入山豆腐店の8代目、入山貴之さん。
朝4時、薪で火を焚き、竈を使った豆腐作りが始まります。

「竈で作るとね、焦げたらだめんなんですけど、周りにうっすら
半分焦げたような大豆の炒ったような香ばしい、そういう香りがお豆腐に
のってくる。」

豆腐の味を決めるのは、火加減一つ。

「泡の出かたで中の状態を見ながらかき混ぜる。(タイミングが命なので)あんまり早くかき混ぜてしまうと、加熱せずにかき混ぜることになりますから。(逆に)時間をかけて炊くと風味が飛んでしまうんで。」

1日2回、竈を炊いて作ることが出来る豆腐は80丁ほどが限界だといいます。

「これがお豆腐の原点やな。それがうちの店の信用になってますんで、
そういう信用があって初めて品物が買ってもらえるかなと。」

豆腐を通じ街の人々と繋がる入山さんが心におもう言葉。それは…

『籠に乗る人 担ぐ人 そのまた草鞋を作る人』

様々な人によって社会が成り立っているという意味のことわざ

「当然うちは大豆を買ってるし、お豆腐に関る色んなものを買ってるし、
どれ一つ欠けても回らない、そう思うと大変な仕事ですけど
うちがやらないとどこもやる人いなくなると思いますので。」