2016年11月29日放送

ふわふわの玉子焼きを、たくさんの人に焼いて欲しい。

玉子焼き器の職人 中村恵一(けいいち)さん。

東京・足立区で80年以上続く町工場。
作られているのは、昔ながらの銅製の玉子焼き器。

全国の料理人たちから愛され、今が生産の最盛期です。

『年間でだいたい3000~4000枚くらいは作るんじゃないかなと。銅で作ることによって全体的に熱がまわって、(玉子焼きが)ふっくらと仕上がっていく。』

特徴は、230℃に熱した鍋にスズを焼き付ける
“スズ引き”と呼ばれる表面処理。

玉子焼きに焼きムラができぬよう、
鏡のように滑らかに仕上げる高い技術が必要です。

『難しいですね。ゆっくりやっていくと、すぐ焦げてしまう。力ごなしにやってしまうと、全然だめですよね。塗るの失敗したら、また磨き直してスズの引き直しになりますよ。
しょっちゅうやりましたよ、昔は。失敗しないと覚えないですからね…』

多くの失敗から、確かな技術を得た中村さんが大切にしている言葉、それは…

『人生の失敗の多くは、
自分が成功に近づいているのに気づかないで、諦めてしまうことだ』

“トーマス・エジソン”の言葉です。

『どういう人が使うのかなって思いながら作っている。ぜひ家庭の人達も
使って頂ければ、プロと同じような出来上がりになりますので。』