2017年1月31日放送

山形県・蔵王温泉に伝わるこけしの物語。
こけし工人、梅木直美さん。
作るのは山形に伝わる蔵王高湯系。

「大きな頭とどっりした胴が特徴で、菊重ね(きくがさね)と桜崩しが伝統柄です。」

現在は、父・修一さんとともに毎日勤しむこけし作り。
しかし、5年前までは他の仕事と掛け持ちでした。
「お客様から『あなたのこけしには個性がない』って言われたんです。で、(こけし作り)専業になって『表情がよくなった』って言われたんです。こけしでやっていくっていう覚悟が筆に現れるのかと思いました。」

伝統こけしの世界では、作品が認められると作者の名前が付けられます。
「父のこけしは、それを私が受け継いで、初めて伝統になって修一型っていうのを私が
描くことになります。まだまだ良しとは言われてないです。目と目がくっつき過ぎだとか、
もう1mm下とか(言われます)。」
父の「型」を「伝統」にしようと励む梅木さんが思う言葉…

「時というものは それぞれの人間によって それぞれの速さで走るものだ」

シェイクスピアの言葉です。

「何か上手くいかなかった時は、今はそういうタイミングじゃないから
焦らなくなったといいますか、師匠から良しって言われるのが
昨日より1、2本増えればいいくらいのそんな気持ちで今はやっています。」