2017年4月18日放送

蘭檜笠(あららぎ ひのき がさ)を作る、麦島たづ子さん(83歳)
山深いこの土地で、江戸時代から伝わる檜を使った編み笠が、蘭檜笠です。
「最初は、嫁に着た時は笠作りが嫌だったね。だけど一つ出来ると嬉しくなって、自分で欲が出ると作りたくなるでね。」

冬の農閑期に家族全員で取り組むのが、この笠作り。
「途中で編み目を間違っていると思ったら、みんな崩さないといけないからね。
そっちの方に放っておいて、もう嫌だなって思うけどもまた持ってきて作り直さないとね。」

檜と檜の編み目を爪できつく締めないといい笠にはなりません。
「(詰める音)爪大事だね。私の爪は柔らかいので割れた時は痛いね。」
一緒に笠を編むのは、93歳の夫・定男さんです。
「お父さんも縁を組んでくれるし、竹削ってくれるし、縁の下の力持ちだね。
2人で1人分よ。」
そんな、たづ子さんが心におもう言葉。それは…

「連理の枝」。

夫婦が極めて仲睦まじいという意味の言葉です。

「1回1回違うでね、上手にできた時が楽しみで作るの。それが元気の秘訣じゃないだか。」