2017年7月11日放送

奥久慈しゃもの駅弁販売 長谷川績子(せきこ)さん(79歳)
「ほとんど365日、ほとんどやってます」
東京からおよそ3時間、山間(やまあい)を進む水郡線の常陸大子(ひたちだいご)駅で
人気の駅弁が、地元名産の軍鶏を使った“奥久慈しゃも弁当”。
駅前の小さな旅館で、その味を守り続けています。
「北海道から、関西からも来るし。“一度食べると忘れられないから、また来ちゃった”って。」

味が濃く歯ごたえの強い“奥久慈しゃも”は、ひと手間かけこだわりの調理法で。
「最初は普通に焼いたんですけど、冷めるとウンと固くなっちゃう。だからお水で煮るようにしました。ふわっとした感じで口に入るようにと思って。」

その味は口伝いに広がり、今年の駅弁大会では1週間で4000個以上も売り上げました。
「つくば万博の時に名物をと思いまして。その時から変わらず。味を変えようかなと
思ってもいっぺん食べると同じ人が同じ味を食べたくなるんですって。」

常に食べる人を気遣う長谷川さんが、心に思う言葉…

「一飯をすすむとても、志厚きをよしとす」

一膳のご飯を出す時も、心を込めることが大事という
江戸時代の茶人、小堀遠州(こぼりえんしゅう)の言葉です。

「元気が出るお弁当だから、負けずにこれからもやっていきたいと思います。」