2017年11月7日放送

パン職人、竹内善之(たけうちよしゆき)さん。
神戸で創業し、75年前からレンガ窯を使ってパンを焼き続けています。
「直接の火は使わない。レンガを温めて窯の余熱で焼く。」
窯の中をバーナーの炎でおよそ300度に熱します。
「熱ムラ、レンガ窯の中のたくわえた温度の違いを、出来るだけ少なくする。
焼いている最中は、僕らが細工する訳にはいかない。窯に任せないとどうしようもない。パンが焼ける『ヨッシャ』っていう状況を正確に決めてやらないといけない、最初である程度の勝負が決まる。」
粉の状態から全て手作業で作られる食パンは、1日60個が限度。
「窯から出すと急に冷えて裂ける音が鳴る。その時パチパチと音がする。
これがパンの産声。これが高い音のほうがおいしい。」
戦火や震災を乗り越え、今もパン一筋の竹内さんが共感する言葉。

「常に継続してやっていれば、素晴らしいことができるようになる」

第3代アメリカ合衆国大統領、トーマス・ジェファーソンの言葉です。

「もっといいパンが出来るだろう。
その通りになったら、その次の日はもうちょっといいパンがまだ出来るんじゃないかと。
欲の皮が突っ張っているんですね。」