2017年11月14日放送

江戸つまみかんざし職人 石田毅司(つよし)さん
およそ200年前、京都で生まれ、江戸に伝わり花を咲かせた、江戸つまみかんざし。
「“つまみ”というのはピンセットで布をおりたたむことなのですが、
その技法は2種類になります。」
かんざしの装飾は色とりどりの薄い絹の布を、三角形に折りたたんで作り上げます。
「先がピンと尖って鋭い感じの折り方の『角(かく)つまみ』
もうひとつは丸く柔らかい感じになる『丸つまみ』という折り方。
この2つの折り方の組み合わせで全部できています。」
作るイメージに合わせて『丸つまみ』と『角つまみ』、形を使い分けます。
「組み合わせ方次第でいろんな表現ができますのでそれが楽しいところだと思います」
わずか2つの“形”で作る、江戸の粋…
紅葉(もみじ)は鋭い角つまみ、イチョウは柔らかい丸つまみで、秋を描きます。
昔ながらの作り方を今に伝える石田さんが心にとめている言葉。それは…

「源清ければ則ち流れ清し。(みなもときよければすなわちながれきよし)」

大本が正しければ、結果も正しくなるという意味の故事成語です。

「形有る物を作るというのは、
人柄が表れてくる部分があるのかなというように思います。」