2017年12月26日放送

江戸文字の書家、橘さつきさん。
寄席や歌舞伎の看板などに使われている“江戸文字”
江戸時代、盛んに使用された日本独自の書体で、橘さんはその技術を受け継ぐ若き継承者です。
「“江戸文字”の中には細かく種類があります。
落語の寄席の場で使われる“寄席文字”。歌舞伎の文字は“勘亭流”。
それぞれの雰囲気をまとって書かれています。」
一目で伝わる江戸の粋。その文字の形にも意味があります。
「隙間をできるだけ少なく書いていくんですけれど、そこには“客席が埋まりますように”という縁起を担いでいます。」
元々は落語が好きで寄席へ通っていた橘さん。
そこで目にした江戸文字に魅了され修行の道へ。
「“なんでできないんだろう”って落ち込んだこともありましたが、辞めたいと思ったことはなかったです。
自分でやろうって思ったことでしたし、面白いと思えることに出会えたので。」
8年目の今も修行中と語る橘さんが心に想う言葉、

「晴れてよし、曇りてもよし不二の山 もとの姿は変わらざりけり」

どんな状況でも自分なりの道を築くことの大切さを伝える
江戸・明治時代の剣術家、山岡鉄舟の言葉です。

「本当にまだまだこれからなので、
“こういうのを書いている人がいるんだね”っていう記憶に残るような文字書きになれたらなと思います。」