2018年1月23日放送

大時計を守る時計職人、桝谷二郎さん。
街のシンボルでもある山形県の旧県庁舎“文翔館”
102年前に作られた大時計を、桝谷さんはひとり、守り続けています。
「この大時計はネジ巻き時計ですから、重りが下がる力で動くんです。
重りが地面についたら時計の針は止まります。ちょうど5日で終わりになるので、5日ごとに巻いています。」
ネジを巻き続けて22年、これまで時計の針を止めたことはありません。
「機械時計ですから正確に動くように調整しなくちゃならない。
暑さ寒さ、あとメンテナンスをやった後でも時間の進みが違うんです。
年中この時計に携わっていると、欠点とかそういうのも分かる。お医者さんが人間を診ているようなもんですね。」
この時計、桝谷さんの祖父が設計に関わっていました。
「なんか今考えてみると、おじいさんからお前がやってくれよ、と言われたんじゃないかって気がします。」
ただ一心に大時計を守る桝谷さんが、心に思う言葉。

「一意専心」 

他に惑わされず、一つのことに集中するという意味の四字熟語です。

「この時計が素晴らしいから、どうにかこうにか私の存在がある訳です。
大時計が太陽で、私が月なんです。これがないと光らないんです。体力の続く限り、やりたいと思います。」