2018年4月3日放送

黒板修復 武内 稔さん。
誰もが見つめ続けた、学校の“黒板”。
長く使い続けた黒板は傷がつき、文字が見えにくくなります。
長野県須坂市の工場では、そんな黒板が毎年200枚以上持ち込まれ、修理されています。
「毎年毎年、子どもたちにはいい黒板を使って欲しい。」
傷ついた黒板は、砥石(といし)の粉が入った塗料が吹き付けられ、
表面に細かな凹凸(おうとつ)を作ります。さらに…
「もうひと手間かけて“研ぎ出し”ということをします」
表面を手作業で研ぐことで、滑らかになり書きやすい黒板に…
これは一家総出の作業です。
「凹凸を確認しながら同じ条件の面に仕上げるというのは、やはり人間の非常に繊細な技術が必要です」
研ぎ出した黒板の文字は見やすく、目にも鮮やか。
良い物を作るのに手間を惜しまない武内さんが、心に留めた言葉。

「約束するのにいちばん手間取る人が いちばん忠実に約束を守る」

フランスの哲学者 ジャン=ジャック・ルソーの言葉です。

「一番の喜びは、子どもたちに『綺麗になったね』って言ってもらえるところですね。」