2018年5月15日放送

中華鍋製作 山田豊明さん。
数多の名店が軒を連ねる、横浜中華街。
この街でプロに愛用されている中華鍋があります。
「打ち出し式っていう平らな板からどんどんへこませて中華鍋を作っていく。」
一般的な中華鍋は型で押してつくるプレス式。
一方、山田さんが手掛ける打ち出し式は表面に無数の凹凸(おうとつ)が浮かびます。
実に5000回以上もたたいて形作る、手間も時間もかかる方法。
「たたくことによって、丁度火のあたるところを薄くしていくんです。
そうすると具材に熱が入り込みやすい。また、表面に凹凸ができるんで油が入りやすくなります。」
仕上げの工程はやはり人の手で。これが先代の父から続く伝統です。
「戦後間もなくうちの父がドラム缶を使ってハンマーでたたいて、それが今まで続いている。」
この製法を守り続ける山田さんが、心に想う言葉、それは。

「そのことは出来る それをやると決断せよ それからその方法を見つけるのだ」

第16代アメリカ合衆国大統領 エイブラハム・リンカーンの言葉です。

たたかれ伸ばされ、中華鍋は輝きます。
「お客さんが褒めてくれるんです。お前んとこの鍋が使いやすいって、それが一番うれしいです。」