2018年5月29日放送

木象嵌(もくぞうがん)職人、石川善弘さん。
およそ100年の歴史をもつ、箱根の伝統工芸“木象嵌”。
実はこれ、パズルのように木片を組み合わせて作られる芸術です。
そこには緻密な手仕事がありました。
「木象嵌は絵を“描く”ではなく“作る”。
下書きを描いて、下絵となる木に色々な木を切ってはめ込んでいくんです。」
色の異なる木で作ったパーツを組み合わせ、1つの絵に。しかし、これで完成ではありません。
「最後に かんなで薄くスライスしていくんですけど、
1枚目と最後では木の目が変わってくるんです。だから1枚と同じ絵はないです。」
絵柄に豊かな表情を生み出すのが、組み合わせる木の色と木目。木材は30種類以上から選びます。
「クセがある木は、ノコギリが進まないこともあります。
厚さ0.8mmくらいのノコギリなので、すぐに折れちゃうんです。結構それが難しいです。」
27歳で木象嵌に出会い、独学で技術を習得。
箱根の貴重な伝統を受け継ぐ石川さんが共感する言葉、それは…

「一心一意」

ひたすら一つのことに心を集中する意味の四字熟語です。

「木象嵌は箱根の人が考えたものだから、無くしてはいけないと思います。
全国的に有名になってもらいたい。
一生懸命頑張ったから今があると思うので、手を抜かないでやってます。」