2018年6月5日放送

大堀相馬焼の窯元 3代目 松永 和夫さん。
焼き上った陶器が奏でる、清らかな響き。福島県相馬に伝わる大堀相馬焼です。
「特徴は、2重になっている作りです。
東北の生活の知恵。熱いものを飲むのに持っても熱くない。冷たいものを入れても表に水滴が出にくい。」
焼き物では珍しい2重焼を作るのは、専門の職人。
それを松永さんが焼き、窯から出すと冷める時にヒビが入り音を奏でるのです。
「ひび割れを“貫入(かんにゅう)”と言います。
相馬の土じゃないと“貫入”が入らない。自然に割れるので模様は全部違います。」
この“ひび割れ”に墨を練りこむ墨貫入を行えば、大堀相馬焼きの完成です。
東日本大震災で相馬から白河に移り、窯を再開した松永さんが心に思う言葉…

『人生は出来ることに集中することであり、出来ないことを悔やむことではない』

宇宙物理学者 スティーブン・ホーキング博士の言葉です。

「地元に密着した焼き物なので、先人の知恵といいますか、これは最高の焼き物だと思います。
誰かが残していかなくちゃいけないものだと思っています。」