2018年11月6日放送

ピアノハンマー職人、今出川 寛さん。
88ある鍵盤を押さえた時、弦をたたいて音を生むのがピアノハンマー。
「“シデ”という木に羊毛フェルトを巻きつけて、加工しています。」
ピアノハンマーは1枚の板から88個切り出すのですが、
両端にいくにしたがってのフェルトの厚みや巻きつける長さを変えています。
「フェルトの厚みが低音部から高音部にかけて薄くなっているので、
硬さが均一になるようにします。硬ければ、1mm未満で削りこむなど、
フェルトと対話しながら厚さと硬さを見ています。」
音により、弦の太さや張りが違うため、フェルトの厚さで硬さを変えるのです。
「天然の羊の毛なので栄養状況などによって、
1枚として同じようなフェルトは出来てこないので、
厚さと硬さを均一にすることが出来るようになるまでには、
3年や4年はかかります。」
最終チェックは、実際に1個ずつたたいて確認します。
「たたいた時に柔らかいものは響きが弱かったり、
硬いものは甲高い音になっていたりするので、
ヤスリとアイロンを当てて硬さを出します。
それでも硬さが出なかったら廃却処分になります。」
88音の音を奏でるピアノハンマーを作る今出川さんが心に思う言葉。

「和をもって貴(とうと)しとなす」

調和を大切にすることを説いた聖徳太子の言葉です。

「木とフェルトを接着して、それに硬さを求める。材料との調和ですよね。
いい塩梅というか、それが一番いいハンマーだと考えております。」