2018年12月11日放送

豚まんじゅう専門店3代目 曹英生さん。
関西で“豚まん”と呼ばれ愛される、豚まんじゅう。
100年以上前、大正4年に神戸の南京町で店を始めた、祖父が名付けました。
「中国の伝統的な、『包む子ども』と書いて包子(パオツー)という庶民の料理なんですけど、
日本の方が分かるように“豚まんじゅう”と命名したんです。」
祖父直伝、餡(あん)を包む生地に、うまさの秘密がありました。
「皆さんはイースト菌を使って発酵させているんですけど、
中国から持ってきた麹菌をずっと今まで脈々と受け継いで、丸1日発酵させている。」
餡は豚肉と青ネギをしょう油で味付け。これを素早く生地に包んで蒸し上げます。
わずかな時間の違いで、発酵が進み、味が変わってしまうからです。
「1分間に12~13個つまむんですけど、つまむっていう包子っていう包みこむっていう。
もうずっと同じ仕事ばっかりなので、豚まんを作っている夢とかみますよね。」
手間暇かかる麹を使い、店では1日1万3000個の豚まんを包みます。
そんな曹さんが心に思う言葉。

「欲速則不達」

速さを求めれば、それ即ちその目的に到達しない。
「急がば回れ」という意味の孔子の言葉です。

「この味を守っていくというのが1番重要なことですので、
神戸発信の豚まんが国際的になればいいかなと思います。」