2019年4月30日放送

動物園飼育員、伴和幸さん。
福岡県の大牟田市動物園で、
日本初という、ライオンやトラなど、猛獣の無麻酔採血に成功しました。
「麻酔をかけられると非常に痛い思いをしたり
恐怖反応がでてしまうと、血液の状態が結構変わってきてしまったりするんですね。
彼ら(動物たち)にもリラックスしてもらった方が
私たちも正確な情報が得られるというメリットもあります。」
尻尾を押さえる飼育員と採血をする獣医、餌を与える担当の3人が笛を合図に行います。
「少し餌が出るのを待たせすぎたりしてしまうと、離れていったり、
爪の先端でもピッと引っかかろうものなら大けがをしてしまうので、
怖くなくなってしまうと事故になる可能性があるので、
いつも怖いなと思いながらやっています。」
最初の頃は、じっと座らせることもできず、威嚇ばかりされたそうです。
「何をやったら餌がもらえますよっていうのを、しっかり教えていく。
いきなり針を刺すと痛いので、竹串をあてたり、クギをあてたりして訓練する。
うまくいった時は飛び上がるくらいうれしかったですね。」
常に動物の健康を考え飼育する伴さんが心に思う言葉…

「被験者はいつも正しい」

思うような結果が出ないのは、方法や考え方が間違っているという
アメリカ合衆国の心理学者 バラス・スキナー(1904-1990)の言葉です。

「動物園で暮らしている動物たちというのは、好きで動物園にやって来た訳ではないし
彼らのよりよい生活を作っていくためには、
私たちが変わらないといけなんじゃないかなということで、その言葉を大切にしています。」