2019年5月21日放送

アナゴ漁師、斉田芳之さん。
今、東京湾でアナゴが旬を迎えています。
「江戸前のアナゴはね、おいしいでしょ?餌がいいからですよ。
川がですね、大小30本位あり、色々な栄養分が東京湾に注がれますよね。
それで育った小魚を、甲殻類を食べる、だから江戸前のアナゴはね、おいしいんですよ。」
斉田さんが行うのは、アナゴが穴に入る習性を活かした“アナゴ筒漁”。
餌を仕掛けた筒を30m間隔で海に沈め、翌日引き上げます。
「ここの江戸前アナゴは、すごく美人なんですよ。
たくさん餌を食べているから、ちょっとぽっちゃり。」
以前にくらべ漁獲高が減ってしまった江戸前アナゴ。
斉田さんは大学などと研究し、筒に穴を開け、稚魚が逃げられるようにしました。
「特に20cmくらいの時がね、すっと逃げるんですよ。
この辺がね、逃がしたいサイズなんだよね。成長した段階で捕まえる。
もう餌さえあればね、3ヶ月4ヶ月ですぐ成魚になるんですよ。」
アナゴを守るこの仕掛けを東京湾中の漁師に広めた
斉田さんが大切にしている言葉。それは…

「自然はやさしい案内者である 賢明かつ 公正で しかもやさしい」

フランスの哲学者 ミシェル・ド・モンテーニュ(1533-1592)の言葉

「こんどは親魚を、やっぱり卵を産みに行ってもらわなくちゃ、
子どもが生まれないわけですから、そこをどう守るかだと思っています。」