2019年6月4日放送

絵地図作家、村松昭さん。
まるで絵画のように、水彩絵の具で描かれる“絵地図”。
山や川、建物などが、立体的に描かれています。
「普通の道案内じゃつまらないからって絵図風にして。鳥が空を飛んで見たような感じ。
地図の幅に収めるので、どうしてもデフォルメする。
でもそれをいかに自然に見せるかという感じです。」
制作期間は長いもので、およそ2年。
2万5千分の1の地形図を元に描いていきます。
「はじめは地図というより絵を描く感じで、だいたいバランスをとって。
絵と違うところは道があるところは道を描いておかないといけないし、
省略したりはできないので。」
制作する前には、実際に何度も現地へ足を運びます。
「行かないと何もわからない。そこの雰囲気ですよね。
屋久島なんか、特に海岸がね、サンゴ礁があったり亀が卵を産みに来る所があったり、
地図で描くと線1本だけなんだけど、その他のものがいっぱいあるわけなんです。
そこに行ってみたいなって思うようなね。」
45年間で50か所以上の絵地図を描いてきた村松さんが共感する言葉…

「精神の注ぎ候ところより自然と妙境に入り 至密の上の至密をも尽くし候」

集中して取り組めば、自然と境地にたどりつくという意味の伊能忠敬(1745-1818)の言葉です。

「1年2年かかるようなやつだと、それこそ一歩一歩やっていくよりしょうがないって感じで。
出来る限りはね、やっていくつもりでいますけどね。」