2019年10月8日放送

松輪サバ漁師、鈴木新治さん。
神奈川県三浦市の松輪地区。
ここに水揚げされたのは、旬を迎えた高級ブランド魚の“松輪サバ”。
「松輪の漁師が昔からの一本釣りでとった、黄金サバとも言うんですけど、
金色の筋が入っている脂がのったサバです。」
松輪サバを高級魚とする所以は、この一本釣りにありました。
「手で触らない。魚がやけどするというんですけど、触るだけで魚が傷むので。
釣れた瞬間に上げて、矢はずという鉤(かぎ)で魚を外す。
魚が落ちると蓋が開いて自動で閉まるっていう仕組み、全然魚に触らない。」
矢はずと呼ばれる道具でサバから針を外し、人の手に触れることなく氷締めに。
こうして鮮度を保つからこそ、生でも味わえるのです。
「脂がのっているサバだと生臭さが全然ない。脂のりがやっぱり全然違う。
今一番いい時期なんですけど、
この松輪の沖からどんどん奥に脂がのりながら入っていくので。
いつ食べても、『うまいな』って必ず言う。」
伝統の一本釣りで、松輪サバを追い続ける鈴木さんが共感する言葉。それは…

「自然の巻物は、知識の本である。」

イギリスの詩人 オリバー・ゴールドスミス(1730−1774)の言葉です。

「なるべく鮮度よく、おいしく食べるために釣ってくるんで、
おいしく食べてもらえればなと。それだけですね。」