2020年1月14日放送

加賀水引職人、津田宏さん。
祝儀袋や結納品を結ぶ豪華な水引。石川県の工芸品、加賀水引です。
「昔は平面的な水引細工だったんですけど、
それを立体式にしたものを加賀水引と言っているんです。」
水引を束ね、指でしごいて立体的に編む。この“しごき”こそが、加賀水引の命です。
「きれいな曲線をだすために、手でしごいてやわらかくするんですけども
しごき過ぎるとコシがなくなってしまう、
しごきが悪かったらカクカクとなってしまうんです。
水引は1回しごいたら元に戻らないので、失敗すると使えないですよね。」
加賀水引を作り出したのは、初代の津田左右吉さん。
当時のデザインが数十種類残り、今なお活用されています。
「ここはこうして通しているんだなとか、
やり方をみると『これは素晴らしいな』と思いますよね。」
津田さんも贈る人、贈られる人のことを思い、新しいデザインを作っています。
「そもそも水引の本来の意味は、品物に水引を結ぶ“人と人を結ぶ”。
本来の意味の仕事をしているから、これだけ何百年も続いたと思っているんですよね。」
加賀水引の心を受け継ぐ津田さんが共感する言葉…

「真似はその形を真似ずして その心を真似よ」

実業家、渋沢栄一(1840-1931)の言葉です。

「基本というものをしっかり守って、
継いでいかないといけないとは思っていますね。」