2020年1月28日放送

杜氏、吉田真子さん。
福井県永平寺町。ここで210年以上続く酒蔵は、今が最盛期。
吉田さんは杜氏として蔵を取り仕切ります。
「酒の全責任を負っているわけなんですけれども。
どういったお米を使うのかとか、酵母をどれにするかとか、私の判断ひとつで
仕上がりが変わってしまうので、見極めるというところが、すごく難しい」
原料の米は、自らの田んぼで作る酒米“山田錦”。
さらに、この町の水と風土を生かし、冬の間じっくりと醸造します。
中でも大切なのが、人の手…
「“和醸良酒(わじょうりょうしゅ)”という言葉があるんですけど、
チームワークやいい雰囲気の中で作られたお酒が良いお酒になるという意味で、
そういうのは心がけてやっています。」
2015年、先代の父がこの世を去り、急きょ、杜氏の道へと進むことになりました。
「悩んでいましたね。自分にできるのかっていうのがすごく大きかったです。
最初の搾りを飲んだ時は、ホッとしました。」
杜氏として3年目の冬を迎えた吉田さんが共感する言葉、

「一度行くと決めた道を頑固に守ろうとする人々は多いが
目標を頑固に守ろうとする人々は多くない」

ドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェ(1844-1900)の言葉です。

「“明日への力水になってほしい”って言うんですけど、
また頑張ろうって思えるような、そういうお酒にしたいな、っていうのは思っています。」