2020年3月31日放送

ドールハウス作家、河合行雄さん。
東京・荒川区の小さな工房。
ここで生まれるのが、“ドールハウス”と呼ばれるミニチュアの家。
部屋の内装から調度品まで、まるで本物のように精巧に作られています。
「現実にある物の、12分の1サイズの物がドールハウスと言われているもので、
ただ小さくしただけだと機械的に見えてしまうという部分もあると思うんですよね。
人間の感情とか、そういう物が入ったところで作り込むと、よりリアルになる。」
その高い完成度ゆえに、思いのこもった依頼も舞い込みます。
「『店を取り壊すので再現して残したい』という方が多いですね。
『旦那さんがいつもここにいた』とか。
ここが大事なのかなというのは感じながら作り込んでいます。」
一般的には粘土などで表現する金属製の調度品も
河合さんは“本物と同じ金属”で作ることにこだわります。
「金属全般に言えるんですけど、形にしちゃうともう崩れないんですよ。
何十年、何百年、時を重ねていくことができると思う。」
食品などを担当する家族と共にドールハウスを作る河合さんが共感する言葉。それは…

「親愛なる神は細部に宿る」

細かな所までこだわることの大切さをうたった
ドイツの美術史家 アビ・ヴァールブルク(1866-1929)の言葉です。

「背景の一部でも、そういうものもひとつひとつ大事に作って行きたいと思います。」