2020年5月26日放送

東京紅茶、木下修一さん。
東京、東大和。江戸時代から茶どころとして知られるこの地で、
独特の味わいを醸し出す東京紅茶が生まれます。
「緑茶品種から作っている紅茶です。私自身がそうだったのですけど、紅茶の渋みって
すごく嫌だったんですよ。
それがすごく柔らかいのでクセがない優しい味わいの紅茶ですね。」
茶葉は主に狭山茶を使用。乾燥させて揉む時に、この茶葉ならではの特徴を感じます。
「他の産地から比べると、冬場に少し寒さが強いので、葉肉が厚くなるんです。
渋みも多くなるんですけど、うま味もすごく蓄えやすい葉っぱになってくる。
あまり揉み過ぎると、お湯で出したときに嫌味が出てしまいます。」
もみ終わった茶葉は発酵へ。ここで味が決まります。
「湿度の高い、ある程度の温度のところで、香りが1番いいところで終了するという。
紅茶も毎年毎年、新入生じゃないですけど、その年の、その葉っぱに合わせて
製品を作っていかないといけない」
優しい風味の東京紅茶を作り上げた、木下さんが共感する言葉…

「一杯のお茶は 私の普通の状態を取り戻させてくれるだろう」

イギリスのSF小説家 ダグラス・アダムズ(1952-2001)の小説の一節です。

「紅茶って、おしゃれな飲み物じゃなくて、ご家庭にある急須で飲んでもらって
構わないんです。それくらい身近になって欲しいと思っています。」