2020年6月23日放送

老舗和菓子店店主、大角和平さん。
大正元年創業、こちらの名物は、35年前に大角さんが考案した「いちご豆大福」。
「たまたまショートケーキを食べていて、いちごっていうのはイメージ的に
かわいいですからね、ですから、いちごを生で使ってみようと思ったんですよ。」
いちごの日持ちを考え、和菓子の中でも、すぐに食べる大福を選びました。
いちごを生かすためにこだわったのは、意外にも周りを包む餅。
「ちょっとお餅の中に塩を足して、それからお豆もアクセントで入れて、
塩味のお餅にすることで、いちごの特徴を一番引き出す。」
小豆の食感を残したつぶしあんに合わせるいちごも、甘さだけでなく、
その酸味にこだわりました。
「使うのが多いのは、“とちおとめ”と“あまおう”ですけども、中でも酸味が
強いもの。そのまま食べておいしいいちごだと合わないんですよ。
いちごの甘さとあんこの甘さとバッティングしちゃうので。」
1日1000個以上を全て手作業で包みます。
「機械でやると、どうしても空気が入ってくるんですよ、お餅の中に。
食べた時にぷちゃっとするじゃないですか。
噛(か)んだ時の食感とかもおいしさになってくるので。」
今や人気の和菓子・いちご豆大福を生み出した大角さんが共感する言葉…

「多くを学ぶより 創造するほうが優(まさ)る」

昆虫学者、ジャン・アンリ・ファーブル(1823-1915)の言葉です。

「春って言えば、いちご大福というように、春の定番として捉えてもらったのが
本当にうれしいですね。」