2020年6月30日放送

小紋藍染職人 野口 和彦さん
創業200年の藍染店。染めるのは、浴衣に使う反物です。
「浴衣を染めるようになって、僕で7代目になるんですけど、初代は武家の
裃(かみしも)を染めていまして、裃というのは基本的に小紋柄の細かい点。
遠くから見るとわからないような小さい点を使って表す柄を染めています。」
細かい柄が彫られた型紙に、色のついた糊を置く。
藍色に染まるのは白い部分。さらに…
「表と裏、小紋の柄を両面から染めているのは、日本でウチだけだと思います。」
藍染の裏側は青く染まってしまうのが一般的。
そこで糊付けした布を裏返し、透けて見える模様を頼りに、
型紙を寸分違わず重ね合わせ、糊を付けます。
「片面だと影が入ってしまったような白になってしまうので、両方からピタリと
柄を合わせて染める。裾が返った時に、同じ柄が見えた方が粋なんです。」
江戸の粋を今に伝える野口さんが大切にしている言葉。

「毎日毎日の足跡が おのずから人生の答えを出す
きれいな足跡にはきれいな水がたまる」

詩人、相田みつを(1924-1991)の言葉です。

「20年仕事をしてきたんですけれども、どうしても課題が見えてきちゃう。
一人前に近づけるように、今は頑張っています。」