2020年8月11日放送

かんぴょう農家、梁島史好さん。
栃木県で全国生産量98%を占めるかんぴょう。
ユウガオの実を原料とする、その生産は、今がまさに最盛期。
「7~8㎏の実を収穫して、製品としてできるのは大体200g。」
収穫した実を細く、長く、むいていく。簡単なように見えて、実はこれが難しい作業。
「鉄の棒をかんぴょうの中心に刺して、それを回転させる。その重心がズレると、
長くむけずに切れてしまったりするので、
丸いのか、ゆがんでいるのか、バランスを見ながらです。」
実をむくのは父、正一さんの仕事。難しいのは種の部分の見極めです。
「下に行けば下に行くほど、種が少なくなるんで、ある程度むいていっても
種は出て来ないんですけど、上の部分については、
(間違えると)どうしても種までむいてしまう。よく聞くと種の手前で音が変わる。
ある程度、かんぴょうむきの技術を極めれば、
そのうち人間国宝になれるんじゃないかなという感じがしているんですよね。」
1日干せば、見事なかんぴょうに。
父と共にかんぴょうを作る、梁島さんが共感する言葉。

「物事を上手になしとげるために必要なことは、
第1にそれらに対する愛であり、第2が技術である。」

スペインの建築家 アントニオ・ガウディ(1852-1926)の言葉です。

「この地域だけの作物になるので、経験しながら練習しながら、
技を盗んでいければいいかなと思って。」