2020年9月1日放送

遊園地職員、佐藤 誠さん。
2020年8月31日に惜しまれつつ閉園した「としまえん」。
中でも人気だったのは、100年以上前に作られた、世界最古とも言われる
回転木馬「カルーセルエルドラド」
「エルドラドは見てのように、乗り物が上下しないんですね。だからこそ、
下、中、上、と回転数を変えて、そういう珍しい楽しみ方をしています。」
佐藤さんは入社以来36年間、点検整備を担当してきました。
「古いということもあって、壊れてしまうと再生出来ないものもあったり、
本当にわずかなところでも異常があればすぐに点検でした。」
安全面はもちろん、その見た目にも様々な工夫が。
「塗装に関して、だいぶ剥げちゃった時がありまして、尻尾に馬の毛を使って見た目の
雰囲気は合っているかなと思います。すべてが思い出のような気がする。」
閉園のその瞬間までエルドラドを守り続けた、佐藤さんが共感する言葉…

「一生の最もすぐれた使い方は、それより長く残るもののために費やすことだ。」

アメリカの心理学者 ウィリアム・ジェームズ(1842-1910)の言葉です。

カルーセルエルドラドの今後はまだ決まっていません。
「この先どこへ行くにしても、“昔、乗ったんだよ”みたいな思い出はつながっていくし、
やっぱり残さなきゃいけないなと、
このゴージャスな感じでまた回って欲しいなと思っています。」