2020年11月3日放送

パン職人、藤森二郎さん。
40年に渡り、本物のフランスパン作りに打ち込み、去年、現代の名工に選ばれた藤森さん。
「硬いパンで味が弱いでしょ。当時、フランスパンを覚えようなんてヤツは、
あまりいなかったですよね。」
パンに魅せられ、日本にフランスパンを広めたフィリップ・ビゴに弟子入り。
その教えは「分量や時間を厳格に守ること」でした。
「元々フランスパンは、小麦粉と水と塩とイーストしか入らない。
ボウルにちょっと粉が残っているのに、
1g位いいやと思うかもしれないけど、パンの場合、塩1gは大変な量ですから、
寸分の狂いも許されないですよね。」
味の決め手となるのは、3時間ほど寝かせる生地の、発酵状態の見極め。
「若干、発酵より若い方がまだイーストの風味の力が残っているから、おいしいんですよ。
生地をめくって匂いを嗅いで、甘酸っぱい香りがするんですよ。」
フランスの食文化を広めた功績で、フランス政府から
農事功労賞シュヴァリエを受勲した藤森さんが共感する言葉…

「鳥は少しずつ巣を作る」

たゆまぬ努力の大切さを意味するフランスのことわざです。

「評価されるのは風味だけでしょ。だから、ものすごく難しいんですよ。
難しいから、もうちょっと出来るんじゃないかなと思うんだけどね。」