2020年12月1日放送

イタリアンのシェフ、稲垣圭介さん。
神奈川県座間市にあるイタリアンレストラン。
こちらで人気なのが、1か月先まで予約で埋まっているという“パンケーキアート”。
その作り方は…
「もともと海外でやられている方がいて、ココアパウダーを入れたり、
着色したりする方が多いんですけど、僕は本当に焼き色だけで濃淡を表現する。」
そのレパートリーは3000種類以上。
作り方は、まず生地でフライパンに輪郭線を描いていきます。
「色の濃いところから順番に、描いて焼いてを繰り返してやっています。
焼き加減をだんだん薄くしていきながら、階層を重ねていく。
最初の色が薄いと、どうしても全体的にぼんやりした絵になってしまうので、
コントラストをきっちり出すために、下絵(輪郭線)をきっちり焼く。
毎回ひっくり返すたびに、“あーいいな!”とか“これちょっと”っていう
驚きがあるので。」
きっかけは東日本大震災のボランティア活動「被災者保養キャンプ」でした。
「福島の子どもたちを呼んでやったところ、すごく反応が良かった。
喜んでいる姿を楽しみながら、どんどん腕前が上がっていった。」
お客さんの驚く姿を想像しながら、パンケーキを焼く稲垣さんが共感する言葉。

『ひとは ひとをよろこばせることが 一番うれしい』

漫画家、やなせたかし(1919-2013)の言葉です。

「やっぱりお客さんの反応が楽しいから続けられているっていうのもあります。
うれしくて泣き出しちゃう子もいて、
それを見てガッツボーズを厨房でやっている感じですね。」