2020年12月22日放送

パイプオルガン製作 横田宗隆さん。
心に響く温かな音色。
パイプオルガンは、ふいごで送り込んだ空気を数百ものパイプに通し、音楽を奏でます。
「14世紀頃から250年くらい前まで、
連綿と続いたパイプオルガン製作の伝統にのっとって作ってます。」
ヨーロッパで20年以上、古いパイプオルガンを研究しながら製作。
5年前に帰国して工房を開きました。
「昔のパイプの音というのは、1本1本で輝いた音がするんですけれど、
他のパイプの音と混ぜた時にも互いが溶け合って協調性がある。」
“昔のパイプの音”を生み出すためのこだわりは、なんと材料から。
「18世紀当時の、不純物の入った『鉛』と『すず』を混ぜて、板を作ります。」
さらにカンナで板表面にできた細かな凹凸をならすことで、当時の音を再現します。
「温かく包んでくれるような、そういう音ですね」
昔のままの音作りにこだわる横田さんが共感する言葉…

「観往知来」

過去を参考に、しっかりとした見通しを立てるという意味の四字熟語。

「現在作っているオルガンは、パイプ数が4000本以上の非常に大きなものです。
もうやめようと思う事がよくありますよ。
でも、最初の音を聞いたときにですね、またすぐ忘れるんですね」