2021年2月2日放送

天ぷら店 店主、高畑粧由里さん。
東京・赤坂、1964年創業の天ぷらの店。切り盛りしているのは先代の娘、粧由里さんです。
「父から継いで、25年くらいになります」
豊洲市場から仕入れる江戸前のネタを中心とした天ぷらは、
長年サラリーマンの胃袋を虜(とりこ)にしています。
「元々、継ぐ予定はなくて、学校で英語の教員をしていました。」
しかし25年前、寡黙で頑固な職人気質の父、富夫さんが病気になり揚場に立つことに。
「最初は、野菜の天ぷらから教えてもらって、メモを取っていました。」
父から学んだ事を書き留めたノートは今でも宝物。
そしてこんな学びも…
「天ぷらは味見ができないお料理なので、お客様の召し上がっている、
天ぷらの断面などを見て勉強しなさいって言われました。」
今は亡き、父の味を守る高畑さんが、大切にしている言葉。それは…

「目に見えるものは移ろいやすく 目に見えないものこそ永遠である」

アメリカの教育家、ヘレン・ケラー(1880-1968)の言葉です。

「10年くらいたった頃から、お客さまが“近づいてきたね”って
おっしゃっていただけるようになったので、
いい感じに揚がるようになったかなって思っています。」