2021年2月23日放送

スペイン料理店 店主、結城優さん。
東京・杉並区の住宅街にあるスペイン料理店。
店主の結城さんは2017年、スペインで開かれたパエリアの国際コンクールで、
日本人として初めて優勝しました。
「パエリアは、お米一粒一粒に良質なスープを最大限に閉じ込めたお料理です。」
じっくりいためた野菜や魚介に、真鯛で取った出汁を加え、
生のお米にすべてのうま味を吸わせます。
パエリア発祥の地・スペイン・バレンシア地方で学んだのはそれだけではありません。
「バレンシアでは、おじいちゃんから孫に伝わっていって、その家々の味がある。」
バレンシアスタイルで大事なのが、おこげ。
パチパチと弾ける音がいいお焦げの合図です。
「たき込んだご飯の中に、まだまだうもれているうま味があります。
それを抽出して具現化したものがおこげという事ですね。
これがないと、パエリアとしては認められないんです。」
パエリアの本場で、その奥深さに魅了された結城さんが大切にしている言葉…

「どんなに遠くに旅をしても その距離だけ内面へも旅をしなければ
どこへも行きつくことはできません」

アメリカの作家・リリアン・スミス(1897-1966)の言葉です。

「みんなそれぞれが、“俺のパエリアが一番だ”って思っている、
という事を知った事は一番のカルチャーショックです。
それくらいね、自分のパエリアに誇りを持ってるという事ですね。」