2021年4月6日放送

手焼き煎餅職人 横山俊二さん。
千葉県銚子市で106年続く煎餅店。名物は、焼きたての煎餅を地元銚子のしょう油に
たっぷり漬けこんだ、元祖「ぬれせん」。
「ぬれせんは58年前に父が作ったんですけれど、製造工程の中でしょう油が
いっぱい染みすぎちゃった物ができるんですよ。はじめはオマケだったんです。
そのオマケがおいしいという事でわざわざ作ったんですね。」
千葉県産コシヒカリで作った生地を炭火で20分、じっくり焼き上げます。
「こんなにしっかり焼くのはウチだけだと思います。
香ばしさが、とてつもなく強いので、タレの味と煎餅本来のおいしさが口の中で
共に広がるんですね。焼きすぎで苦いっていう方もいますけれど、
私はそれがいいと思ってやってます。」
しっかり煎餅を焼く。それは並大抵のことではありません。
「暑さと姿勢ですね。1日5時間、誰でも焼けると思うんですけど、
長く続けられないんですよね。」
ぬれせん作り34年の横山さんが大切にする言葉。

「信用は暖簾(のれん)や外観の設備だけで収め得られるものではなく
確乎(かっこ)たる信念から生ずるものである」

実業家 渋沢 栄一(1840-1931)の言葉です。

「毎日様子がどこか違うので、これでいいのかなと自問自答しながら作っています。
おいしいって言われるのが何よりありがたい言葉で作っててよかったなと思える
瞬間ですね。」