2021年4月20日放送

砂子師 永井 聡さん。
襖や壁画などの柄を金箔や銀箔で描く伝統技法“砂子”。
永井さんは結婚式場や一流ホテルなどを手掛ける砂子師です。
「金箔を細かく砂のようにしたもので、それをまくと天の川になったり、雲になったり、
砂絵のような作品にしていくんですね。」
和紙に金泥(きんでい)と呼ばれるものを塗り、網のついた竹の筒に金箔を入れてふるい落とし、
模様を描きます。
「もう落とした瞬間、それが形になっちゃうから、ちょうどいい箔の量と散らばし方。
広角的にやるか、バシッと落とすか、その両方やる繊細さと度胸がないと
できない技なんですよ」
特に難しいのが雲のような霞(かすみ)がかかっている景色の表現。
「しっかり揺れないようにしたり、揺れるようにしたり、音を聞けば分かりますよ、
上手いかどうか。霞なんてコンコンコーンって、音がグラデーションになって
消えていきますからね。」
その技で日本の伝統美を彩り続ける永井さんが共感する言葉…

「中庸の徳たるや、其(そ)れ至れるかな。」

過不足なく、よいバランスが大切と説く
孔子(紀元前551年-紀元前479年)の言葉です。

「日本の襖の歴史をインテリアのアートみたいな形で“砂子”と言うのが使えれば
1番いいのかなと思っています。」