2021年5月4日放送

手描きこいのぼり職人 金田鈴美さん
三代目金龍の名を継ぐ金田さんは
関東でただ一人の江戸手描きこいのぼり職人。
「手描きは、この店では35年ぶりに私が復活させました。江戸手描きこいのぼりの
特徴は、顔がデフォルメされていて親しみやすいところと、
金色を多用しているので上品に見えるところだと思います」
江戸手描きこいのぼりに欠かせないのが、柔らかい筆。
「さまざまな表情の線を描く事ができます。尾びれの生命力のある線だったりとか、
強弱がつけやすいんですね。そのお家が守られるようにと願って、染めています。」
そして、金田さんの思いがたくさん詰まっているのが、この吹き流し。
「こいのぼりの由来である
コイが滝を登って龍になるっていう登竜門の伝説を表しています。」
1色ずつ、3日かけて染め上げる、色鮮やかな吹き流し。
これは金田さんが子どもの頃から好きだった、初代の図案です。
「いつか復活させたいと思って、たくさん修業しました。」
こいのぼりに変わらぬ願いを込める金田さんが大切にしている言葉・・・

「いつかできることは、すべて今日でもできる」

フランスの哲学者 ミシェル・ド・モンテーニュ(1533-1592)の言葉です。

「色味とか大きさだったり、文化ってちょっとずつ変わっていくものなんですよね。
古い文献からも鯉のぼりについて深く学びたいと思っています」