2021年6月29日放送

小田原風鈴職人 柏木照之さん
その余韻の美しさで「最高級の風鈴」と、江戸時代から評されてきた小田原風鈴。
「いわゆる真鍮(しんちゅう)と
砂張(さはり)というあまり聞き馴染みのない
銅と錫(すず)の合金でつくる風鈴が小田原風鈴です。」
砂張の延べ棒を溶かし、型に鋳込むタイミングを見極めるのが腕の見せ所。
「すくってみた金属の硬さ、感触とか、
良い時に鋳込んでいかないとやっぱり音が悪くなります。」
もちろん鋳込む技術も重要。
「型の中で溶かした金属の流れている状況が見えないので、
見た目にはなんとも無くても中に穴が空いてしまう。どの位のスピードで
注ぎ込むとか、そこをイメージするということは重要だと思います。」
音を鳴らす“舌(ぜつ)”と呼ばれる部品の取り付けにも、技が必要です。
「位置が変わってしまうと、音の鳴りが結構変わってしまうので
1㎜単位で高さを調整するというのが重要です。」
時代に合わせた室内用の小田原風鈴も編み出した柏木さんが心に思う言葉…

「堅忍不抜(けんにん ふばつ)」

つらいことも耐え忍び、どんな困難にも心を動かさないという意味の四字熟語。

「“どの工程が難しいですか?”と聞かれるんですけど
どの工程も手を抜かずにやることが1番大変という感じです。」