2021年9月14日放送

村山大島紬職人 田代隆久さん
陽の光を浴びて煌(きら)めく絹の反物。
東京・武蔵村山の伝統工芸品、村山大島紬。
艶があり丈夫で軽いことから、長く庶民に愛されてきました。
「江戸時代から続いている絹織物。とくに村山大島紬の艶というのは、命なんです。
それは、やはり作り方にあるんですけど。」
絹の艶を守るため板締め染色という技法で
糸自体に絣模様(かすりもよう)を染めます。
「長方形の板に溝を彫って、その溝の所に染料が流れることで模様ができます。
時間と手間暇がかかります。」
染め上げた糸は、経糸(たていと)だけで1200本。
美しい絣模様になるよう、順番通りに一本一本糸をそろえなければいけません。
「順番を間違っちゃうとできませんね。間違わないようにやるから大変な訳です。
それが熟練ということじゃないですか。」
絹の艶にこだわる、村山大島紬を織り続ける田代さんが共感する言葉…

「慎みて祖業を墜(お)とすことなかれ」

京都の呉服業界に伝わる 一筋に家業を守るという意味の言葉

「“これ着てったら褒められたわ”と、お客様が褒めてくれるわけですよ。
まあ、その時は最高にうれしいですね。」