番組と不思議な縁で結ばれた人たち② フナさん
2008年に行われた北京オリンピック。
そのマラソンコースとなっていた大通りを、仰天のアシスタントだった鈴江アナウンサーが取材していた!
その大通りに、なぜか高さ3m・全長2kmの巨大な壁が設置されていた。
それは、マラソン中継の際に何かが世界に映し出されることを隠すかのような壁だった。
いったい、何を隠していたのか?
その壁の向こう側に鈴江アナが入ってみた。
そこにあったのは、古く今にも崩れ落ちそうな住宅街。
実は、中国はこの住宅を取り壊し高層ビルを作る予定で、あの巨大な壁はこの住宅街を見えなくするためのものだったようだ。
そして、その住宅地で鈴江はある少女と出会う。
崩れそうな家のベッドに横になっていたフナさんという少女。当時16歳。
弱々しい彼女は、悲しい運命の真っ只中にいた。
それは、鈴江アナと出会う4か月前の前のこと。
農村に住んでいた彼女は、突然高熱を出し倒れた。
病院で検査の結果、急性白血病という診断を受けたのだ。
農村出身のフナさんは当時の中国の医療保険制度では保険適用外。
つまり治療には多額の費用がかかる。
一回の抗がん剤治療費は約15万円。
すぐに金は底を尽き、半壊した家に身を寄せていた。
鈴江アナと出会ったのは、まさにこの家で「死を待つ」状況だったのだ。
フナさんが助かる唯一の方法は骨髄移植のみ。
しかし…それには約900万円もかかる!
その日暮らしの親子にとっては途方もない金額だった。
こうして16歳の少女の残酷な現実を仰天ニュースは放送した。
すると、信じられないことが起こる!
なんと、少女を救いたいという善意が寄せられフナさんを支援する会が日本で立ち上がった!
さらに日本全国で、中国に住む少女のために募金活動が行われ…移植のための費用が集まったのだ!
そして2009年3月。骨髄移植手術が行われた。
移植から約2か月後、仰天ニュースが病院を訪ねると、元気そうなフナさんの姿が!
さらにそれから2年…髪も生え、少しふっくらした!
さらに10年たった現在、彼女はスーパーで販売の仕事をしていた!
瓦礫の中で偶然鈴江と出会い、今につながった奇跡!
彼女は今日も元気に生きている。