放送内容

2015年9月 2日 ON AIR

家族を襲った謎の症状・・・魚が原因?

今から15年ほど前の出来事。
とある割烹料理店で中学1年の長男、小学校5年の長女、その両親と祖母。
そして妻の弟夫婦。さらに弟夫婦の家を新築した建設会社の社長夫婦の2組の家族が
食事に来ていた。


海鮮料理が評判のこの店でたくさんの海の幸に舌鼓を打つ家族たち。
しかしこの食事がのちに大きな惨事を引き起こすことになる。


"次々と家族に体調の異変が起こる"


食事も終わり社長夫婦は近くのホテルへ、
一家は店の近くにある別荘へ帰った。


すると小学5年生の長女が喉がイガイガすると訴えてきた。
実はその他の家族も同じ症状を感じていた。
この時から家族の体には恐ろしい変化が起こり始めていたのだ。


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まもなく食事をした全員が吐き気に襲われ、体のだるさを感じるようになった。
特に症状のひどい夫は壁がオレンジ色に見えるという。
明らかに様子がおかしいことから家族は別荘近くの病院へ向かった。


"家族に更なる症状が..."


病院はその症状から食中毒と診断したものの、
その原因はすぐには特定できなかった。


数日後それぞれの家へ帰った後もまだ食中毒の症状は改善されない。
そんな中、小学5年生の長女だけは元気を取り戻していた。
具合が悪くなったとき、すぐに吐いて胃の中のものを出したことが幸いした。


一方その他の家族には今までになかった症状が現れる。
夫が靴下を脱いでひんやりとした床を歩いた瞬間、足の裏に激痛が走ったのだ。
そして他の家族にも同じような症状が見られた。


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その後さらに症状は悪化、ひどいかゆみが全身を襲う。
あまりのかゆさに家族は寝ることすらおぼつかない。
家族を苦しめるこの症状の原因は一体何なのか?


"家族を苦しめた食中毒の原因は?"


家族を苦しめていたのは「ドライアイス・センセーション」という症状だった。
冷たいものに触ると、まるでドライアイスに触ったような激痛を感じるというもの。
そしてこの症状から食中毒の原因は「シガテラ毒」という事が判明した。


「シガテラ毒」は末梢神経に異常を与えるもので「ドライアイス・センセーション」に加え
まわりがオレンジに見えたり全身にかゆみやだるさを引き起こす。
このシガテラ毒は割烹料理店で食べたイシガキダイが原因だと特定された。


通常は無毒なイシガキダイだが
シガテラ毒をもつ藻の一種を取り込んだ貝や小魚などのエサをイシガキダイが取り込み
その毒性の強くなったイシガキダイを家族は食べてしまったのだ。


原因は特定されたがひどい症状に悩まされた家族の体力は限界だった。
長男は学校を休みがちになり両親も仕事に支障をきたすようになっていく。
そしてついにこの事件は裁判にまで発展した。


割烹料理店を相手取った損害賠償請求は家族側が勝訴。
裁判所は店側の責任を認め、損害賠償の支払いを命じた。


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しかし食中毒の発生から15年後、一番症状がひどかった夫は
寒くなるといまだに関節が痛むといった症状が出ることがあるという。


現在、イシガキダイの他にもシガテラ毒によって毒化される可能性のある魚は各都道府県によって食用としないように通達が出され、市場に出回らないよう安全性は確保されている。

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