放送内容

2015年12月 2日 ON AIR

クリスマスに超貧乏になった秘密

2014年12月、イギリス。
街はクリスマス一色。そんな幸せいっぱいのこの時期にある悲しい出来事が。


"クリスマスに湧く一組の家族"


ディーン・ベイカーは
いつもの様に7歳になる長女のエデンと2歳になる二女のハリエットという
2人の娘の世話に追われていた。


そんな家族の今の時期の話題と言えばもちろんクリスマス。
いい子にしている2人にディーンは素敵なプレゼントを約束した。
はしゃぐように喜ぶ娘たち。


長女のエデンはiPad、二女のハリエットはお人形さんが欲しいとディーンに伝えた。
ディーンは娘たちに喜んでもらおうとクリスマスに向け張り切っていた。


クリスマスの三日前、
ディーンはプレゼントの準備をするため、まずラッピング用品を販売する雑貨店に向かった。
プレゼントは自分自身で包装して渡したいと考えたのだ。


様々な柄の包装紙を選びレジへ。
金額は5ポンド46セント。それほど高い買い物ではなかったが
ディーンは「デビットカード」を使い支払いをした。


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デビットカードとは預金口座から直接購入した金額分が引き落とされる仕組みのカード。
クレジットカードと同様、支払でよく使われるものだったが
たまたま店の店員が新人だったため入力にてこずり、3回目でようやく支払いが完了した。


"最高のクリスマスが一転、地獄へ"


いよいよ訪れたクリスマスイブ。
まずディーンは娘2人をレストランに連れていき、ランチを楽しんだ。
いつもより奮発し注文した料理をおいしそうに食べる娘たち。


この後はデパートに行って可愛いドレスを購入。
娘たちの欲しがっていたプレゼントはすでに予約済み。
ディーンは娘たちの喜ぶ姿を想像しながら今日の予定を
頭の中でシミュレーションしていた。


しかしこの直後、家族を地獄に突き落とす出来事が。
ランチを食べ終わり、いつもの様にディーンはデビットカードで代金を支払おうとした。
カードを受け取りレジに向かう店員。


ところが数分後、店員がカードを持ってディーンの元へ。
このカードは現在使えなくなっているとのこと。
残高は十分にあり、そんなはずはないとディーンは訴えるが何度やっても使えない。


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ディーンは近くのATMへ行き、自身の残高を確認した。
すると、残高の欄に表示されたのはなんとマイナス5万2611ポンド。
日本円にして1000万円以上の借金をしている状態になっており、
そのため口座が凍結していたのだ。


"原因は雑貨店での支払いだった!"


そんなことありえない。
ディーンはすぐに銀行に電話をし、状況を確認した。


銀行によればクリスマスの3日前、雑貨店で超高額の買い物をしたという記録があるという。
ディーンはもちろん1000万円以上の買い物をした記憶などない。


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どれだけ事情を説明しても銀行に聞き入れてもらえない。
まずはレストランの会計を済まさないといけないため、近所に住む会社の上司に連絡して
肩代わりをしてもらった。


呆然とするディーン。
借金もそうだが、今日はクリスマス。
この後予定していたデパートのドレスや娘たちのプレゼンはどうしよう。


家に戻ったディーンが、雑貨店のレシートを確認すると驚きの数字が表示されていた。


ラッピング包装紙数点の購入で合計金額が5万9410ポンドとなっていた。
日本円にしてなんと1207万円という大金だ。


実は、あの店の支払い時にデビットカードの手続きに慣れてない店員が
入力ミスをしたためディーンは口座が凍結されるほどの状況に
なってしまったのだ。


こんなことでクリスマスが台無しにされたらたまったもんじゃない!
ディーンは改めて銀行と原因となった雑貨店に電話をした。
しかし何度電話をしても、クリスマス休暇の時期だったため、
担当者不在という事で状況は一向に変わらない。雑貨店も休日閉店だった。
幸せなクリスマスという時期が逆に災いとなってしまった。


クリスマスイブの残された時間は過ぎていく。
結局打つ手がなくプレゼントも買えないままクリスマスの朝となってしまった。


希望したプレゼントをもらえなかった娘たちは泣きじゃくっている。
最高のクリスマスにするはずだったのに目に映るのは悲しみにくれる娘たち。
ある意味で一生忘れられないクリスマスとなってしまった。


"自身の出来事をニュース記事に!"


ディーンはその後も銀行に連絡をし続けていた。
しかし12月28日になっても事態は進展しなかった。


このままでは自分のお金が戻ってくるどころか
意味の分からない1000万円以上の請求が来ることも考えられる。


この状態を抜け出すべくディーンはある行動に出た。
それは新聞社への電話。今の状況をマスコミに取り上げてもらえば、
何かが変わるのではと考えたのだ。


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そして12月30日。
ディーンがクリスマスに受けた今回の出来事は記事となり、
イギリス中に配信された


すると親子に同情するコメントが殺到し
数日後、銀行と雑貨店双方共に取引の誤りを認め、謝罪のコメントを発表。


お金が戻ってからようやく娘たちにプレゼントを買うことが出来たディーン。
しかし、ディーンの口座に残高が返金されたのはなんと1月12日。
口座凍結から21日も経過していた。

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