放送内容

2016年7月13日 ON AIR

サハリン 違法カジノ摘発に密着

北海道最北端の街、稚内から北に43km離れた島、サハリン。


この島の南部は1905年、日本が日露戦争に勝利して以降統治し、南樺太と呼ばれていた地域。
だが第二次世界大戦に敗れ、後のサンフランシスコ平和条約で日本はこの地を放棄。
実はこの一帯は、国際法上はどこの国にも属していない。


それから65年、仰天スタッフはかつて南樺太と呼ばれたその地を訪れた。


"酔っ払い家族を摘発!"


北海道・新千歳空港から飛行機で1時間半。
着いたのはサハリンの南に位置する州都『ユジノサハリンスク』
町を歩くと目につくのは、ロシア国旗。


道行く人々も、そして看板も、すっかりロシアの町並みに。
わずかに残るのは戦前、日本が建てた郷土博物館や
日本軍が爆薬を製造していた工場の跡地。


サハリンは、近年石油や天然ガスなどの開発が進み、エネルギー資源の輸出が拡大。
それに伴い経済は成長を続けている。


そんな急速な経済成長を遂げる一方、麻薬事件や密漁などの犯罪の数々も起きている。
光と闇が交差する町サハリンで今回密着するのは
サハリン最大の警察署、ユジノサハリンスク警察。


スタッフは市民からの通報に対応する警備部隊のアレクサンドル巡査に密着した。
この部隊は、通報があれば駆けつけるだけでなく、一般家庭の警報アラームにも対応する。


つまり警備会社の仕事も行っているのだ。
アレクサンドル巡査の手にはサブマシンガンと小型のピストル。
サハリンは日本と同じく銃の携帯は禁止となっているがかなりの重装備。


そしていよいよパトロール開始。
犯罪が多くなるのは午後10時以降、その時間が近づくと...暴行事件が発生!
すぐに現場へ急行する。


ついたのは郊外の集合住宅。一体何が起きたのか?
加害者は住宅前で騒いでいる男2人。
一方で被害にあったのは、奥にいる少年。


加害者の若い男は気が立っているのか、仰天スタッフにもつっかかってきた。
かなり酔っている様子で、まず酒に酔ったこの男が少年とケンカを始め、
そこにもう一人の年配の男が加わり、2人で少年に暴行したという。


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後から加わったのは酔っぱらいの男の父親。
親子で少年に暴行。少年は2人の攻撃に遭い、足に怪我をした。
はじめに殴りかかった男は酒癖が悪く、以前にも暴行事件を起こし3年間服役していた。
そしてつい3か月前に、出所してきたばかりだった。


実はロシアで起きる事件の80%は飲酒が原因。
その為、ユジノサハリンスクの市街地では屋外での飲酒を禁止し、厳しく取り絞まっている。
と、その時、突然1人の女性がカメラの前に現れた。実は彼女は暴行男の母親!


だが、そんな彼女もまた泥酔している。
大声で叫ぶ母親を尻目に、警官は男たちを連行した。
強い酒を好む人が多いせいか、飲酒による犯罪はなくなってはいない。


"違法カジノ現場に突入!"


そんな中、なんと違法カジノの摘発が今日あるという情報を得た。
くわしい説明を受ける間もなく、警官達の元へ。


オーナーはマフィアとのつながりがあると噂される人物...つまり闇世界と通じる男。


そこで今回サハリン警察はある部隊に協力を要請していた。
それが...特殊部隊スペツナズ。
人質救助やテロなど重大犯罪の特殊任務を遂行するロシア屈指の精鋭部隊だ。


そんな彼らの作戦に同行する。
彼らは特殊な任務についていることも多く、素顔は明かせない。


午後5時出発。まずは現場付近まで移動。
その後は、待機し張り込んでいる警察からの合図を待つ。
店には出入り口が2つ。ターゲットである店のオーナーと客が
ギャンブルを行っているのを見計らい、一方を警察が塞ぎ、残る一方から特殊部隊が
侵入し、制圧する作戦。


作戦に使用するのは、なんと電動のこぎり。
一体これを何に使うのか?


午後7時。全員が配置につく。そして突入の合図!!
ロシア最強部隊はすぐさまカジノのあると思われる建物へ。
ここで、電動のこぎりが登場。これで扉の金具を破壊するのだ!


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鳴り響く爆音!!この音は相手にも伝わっているため、反撃に備え銃を構える隊員も。
扉の金具を次々破壊した後は、さらにハンマーを持ち出し、
強引な方法で扉を破壊!!


そして一気に突入した!
店の中にいる人間たちを次々と拘束していく隊員たち。
店内には男が計5人。若い女たちもいた。


彼らが行っていたのは12台のパソコンを使った賭け事。
大きな金が動くこともあり、それがマフィアの資金源になる。
すぐに警官隊も入り、金の流れなどを捜索。


そして肝心のオーナーを発見。
その後、若い女2たちは店員で、残りの4名がギャンブル常習者だと判明。


そんな中、仰天スタッフはひとつ気になることがあった。
それは奥にいる女性たち。
捜査の間中、何をするでもなく辺りを眺めているだけの2人は一体何者なのか?


実はロシアでは犯人逮捕の際、一般市民に、現場への立ち会いを要請している。
「立ち会い人」と呼ばれる人達につきそってもらうことで、不正な捜査が行われて
いないことを証明してもらうのだ。


その要請の元、彼女たちは捜査のチェックをしていた。
こうして、その場にいた全員を逮捕。今後はオーナーから、マフィアや他のカジノに関する
情報を聞きたすのだという。


その他、飲酒などによる暴走車の逮捕などはあったが、
サハリンは比較的平和な街だった。

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