放送内容

2017年6月27日 ON AIR

一家を襲ったキケンな粉の正体

美味しそうなお好み焼きが突然命を脅かす症状に!
ある一家を襲った、恐怖の出来事とは?


"お好み焼きを食べると、突然呼吸困難に!"


今年2月、神奈川県・横浜市。
夫と二女がお腹を空かして待つ中、女性はすぐに晩ご飯の準備にかかった。


今日の晩御飯はお好み焼き!
そしていつも通り食べていると、女性が半分ほど食べた頃に違和感が。
しかし気のせいかと思い、その後も食べ続けた。


しかし、二女も同じく食べ終わって10分程で息苦しくなった。
さらに、女性の目は真っ赤に充血。
異変に気付いた夫は2人を病院へ連れて行った。


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実は2人が食べたお好み焼きの中に 信じられない生物が潜んでいた。
病院に行った頃には女性と娘の全身に蕁麻疹が発生し、
強いアレルギー反応により気管支が狭まり呼吸困難の状態に!


病院で気管支拡張剤を吸入したことで、2人の症状は落ち着いた。
しかし、このときはその原因を特定できなかった。


2人は、その日のうちに回復し帰宅。
数日後、女性は娘と一緒にアレルギー科の病院へ向かった。


異変が起きた後、食材が気になり調べてみると、
お好み焼き粉の賞味期限が1年半も過ぎていたことが分かった。
それを聞いた医師は、ダニ経口摂取によるアナフィラキシーが原因と特定する。
そう、原因は...なんとダニだったのだ。


"死亡例もある「パンケーキシンドローム」とは"


ダニ経口摂取によるアナフィラキシーとは、ダニが侵入した粉製品などを食べたことで、アレルギー反応が出る症状のこと。
摂取後10分から45分ほどで発症することが多く、
多くは呼吸困難・意識低下などのアナフィラキシーショックを引き起こす。


1993年に、アメリカのニューオーリンズで製造された、
揚げパンを食べたことで初めて報告された。
アメリカではこの症状を「パンケーキシンドローム」と呼んでいる。


海外では死亡例が出ているほど危険な症状。
通常はダニアレルギーを持っている人が発症する。


先ほどの女性は、封を開けてから長い期間、台所で保管していた。
その間にダニが大量に繁殖。それを食べたことによって女性と娘は発症してしまった。


では賞味期限が切れているお好み焼き粉には一体どれだけのダニが潜むのか?
仰天スタッフは賞味期限が5年過ぎているお好み焼き粉を、ダニの生態を長年研究している、専門家の高岡正敏さんに調べてもらうと、なんとそのお好み焼き粉からは約77万匹のダニが確認された。


では、お好み焼き粉以外の賞味期限切れの粉はどうなのか。


賞味期限が長年過ぎた薄力小麦粉・強力小麦粉・コーンスターチを調べてみると
ダニは確認されなかった。


実はお好み焼き粉にダニが増えるのには理由があった。
お好み焼きの中に入っている動物性たんぱく質がチリダニの増加に関わっている。


他にもパンケーキミックスや、たこ焼き粉などのミックス粉にも
動物性たんぱく質が含まれている。


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こういったミックス粉の保存方法は
密閉容器の中に入れ、冷蔵庫に保存するということが大事。
ダニを放っておけば気管支喘息、アトピー性皮膚炎などを悪化させる危険性がある。


"一般家庭にダニはどれほどいるのか?"


暑くなっていくこれからはダニの増える季節。家の中のどこにダニがたくさんいるのか?
そしてどうやったら撃退できるのか?一般家庭にお邪魔して調査をしてみた。


まずはたくさんいそうなベッドのマットレスから調べてみた。
目視ではなかなか確認することができない。
しかし、現場に持ち込んだ顕微鏡で見てみると...確かにダニはたくさんいる!


マットレスには1平方メートルあたり何と210匹ものダニがいた。
だが、これは序の口。他にもたくさんいる場所が!


ソファーには826匹。
クローゼットには1363匹。
台所の食品庫には1651匹。


そしてこの家で一番多かったのが、15年使用しているカーペット。
ここには1平方メートルあたりなんと1万匹以上のダニ!正にダニの巣窟になっていた。


これからの季節はダニが増える時期!
今のうちに対策をとらないとどんどん繁殖してしまうという。


ちなみに、日頃行なっているような洗濯ではダニは死なないそうで、
天日干しも、表面温度は高温になるがダニを死滅させるには至らないという。
どちらも繁殖を防ぐ効果はあるが撃退することはできない。


ダニを撃退するには乾燥機にかけるのが一番。
ダニは60度以上の温度だと死滅する。
家庭用の乾燥機を使う場合、温度は60℃以上の高温設定で30分以上行えば、
効果が高いといわれている。


そして日常行う、掃除機のかけ方にもポイントがある。
掃除機はなるべく時間をかけてゆっくりかけ、さらにかけた場所を
何度も往復するとより効果的。


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家からダニを完全に取り除くことはできない。
しかし、日頃の掃除は繁殖を防ぐ上でも重要となる。

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